BSマンガ夜話「パタリロ!」

BSマンガ夜話ガンダムのやつ(アニメ夜話ですかあれは)が面白かった!と友人が言ってたことを思い出して、見てみました。
私はガンダム全然知らないし見てないんですが、すっごく面白かった!!オタの語りって素敵だあ!!愛と勝手なコダワリにあふれていて…とても楽しめた!!
なので、普段は見ないのに「パタリロ!」の回を見た。
…面白くなかった…
パタリロ好きとしては,二十巻までじゃダメだろ!せめて四十巻まで!と言いたい。
愛がないよ!愛が足りないよ!なんで、好きだ!って人を連れてこないんだ!
あそこにいた人たちは、バンコランとマライヒの間に子供が生まれた、とか知ってるのかなあ…

それはともかく、内容について。
とりみき吉田戦車パタリロを評価してるのは凄くわかる気がする。でも、いしかわじゅんが「先端じゃないし、それほど面白いわけでもない」ってのもわかる。
パタリロのギャグが面白いか面白くないかということじゃなくて、あの雑誌で、あの絵柄で、あの内容で、時には古典をそのまんま、時にはだじゃれをえんえんと、時にはなんだかわからない、時には面白くなく、そんなギャグをずーっと続けていくことが凄いんだと思う。面白いか面白くないかじゃなくて、「面白くないかもしれない」ことを、時には数ページにわたってやり続けてしまう。それを持続させる。
「こんなことしちゃっていいんだ!」「(一般的に見てあんまり面白くなくても)貫いちゃっていいんだ!」っていう自由さ、衝撃は、ギャグの作り手側としてはかなりあったんじゃないかなあ。影響されたとかでなくて、「心強い」と感じるんじゃないかと。

面白くなくてもって何度も言ってるけど、私は「パタリロ!」のギャグは面白くないことも含めて面白いと思います。未だに「クヨクヨクヨクヨ コクヨのノート」とか出てくる。高円寺のおばちゃんとか…面白くないけど、面白いよ(笑)


あと、泣かせの話は魔夜先生はわざとやってるんだよね。未だにあの宇宙飛行士になりたい、怪我を治しちゃう子の話が「好きな話」上位に食い込むのを見るとほくそ笑む、ってインタビューか何かで言ってたもんなあ。
背景(建造物じゃなくて、カケアミとか魔夜さんのマンガに独特の効果とか)処理はいまは全部アシさんが勝手にやるらしい。昔はもちろん、ご本人がやってたんだろうけど。

いしかわじゅんの語りを聞いて、あの程度で「けなしてばっかり」とか「誉めない」って言われるなんて、マンガ批評の仕事って大変だなと思った。同意するかしないかはともかく、すごく普通で妥当じゃないか…。けなす、っていうのはそういうんじゃないよね。