萌えのできるまで


えー

今日は思う様偏った萌え語りを披露したいと思いますので、そういうの読むの嫌ですという男性読者は見事にスルーしていただけると有難いです。


ただ、一腐女子の萌えモデルケースとしてお読みいただけるのならもう、大歓迎です。
先言っておきますけどすげーーーーーー長くて細かいですから。


いやね、昨日さ、非腐女子友人(なるしまゆり好きのあの人)と一緒にコレド日本橋行って、友達の誕生日プレゼント探したりぶらぶら服と雑貨見て回ったりとかしてたんですけどね。
彼女はおお振りでは阿部が好きでね。アフタは読んでないから二巻予告の涙中学生な阿部に興味津々だったのですよ。だから、んじゃそこの切り抜き持っていくよと。めくるめくタカヤの世界を堪能してくれと。
カフェでアフタ切り抜きを真剣な顔をして読むうら若き女子。にやにやしつつそれを眺める我。
あれなんですよ、偶然?ちょうど持っていった回で、私が和サンと準サン(二巻予告左上に居る多校キャラ)に激しく萌えた原因となった、問題の場面があったのです。
それをつい「ここで萌えたわけよ」「え?なんで?」と問われるままに説明しつつ、気がつけば熱く準サン語り大会になっていたね。もう、そこはめくるめく空間だった。
下手したら一時間しゃべってた。


というわけで、今回資料として皆さんに用意していただくのはアフタ九月号。先々月号、中学生阿部が一世を風靡した回です。あれは非常に力のこもった回でした。
しかしそんな情熱の片隅で、別の情熱を変に空回りさせていた腐女子が居たのです。

(可能ならば、八月号と十月号と二巻もご用意ください)


和サン準サン萌えのきっかけとなった場面は、160ページ。左一番下、最後のコマです。
利央に「メオトマンザイはキモいからやめてください」と言われているあそこですね。


しかし、私が萌えたのは「メオトマンザイ」と形容されているからではありません。
この場面で、準サンが明らかに顔を赤らめているからなのです。


私には、なんで彼が顔を赤らめているのかわからなかった。え、ここでこいつが赤くなる必然性ってなに?
見えにくいけどよーく見てください、斜め後ろから見た小さな準さんの顔、間違いなく斜線が書き込まれています。こんな小さい顔に斜線を書き込んである、作者にはそうすべき意図があってそうしているわけです。


いわゆるやおい的萌え(準サンが和さんを好きだからとか)を廃してこの場面を見ましても、なぜ準サンが顔を赤らめているのかわかりません。二コマ前の準サンアップのコマ「エ 和サンは 頼まれたら いかにも やりそうスよ?」という台詞、彼はまったく自然に、普通にしゃべっています。顔も少しも赤らんでいません。
なのになぜ、ここで突然彼の顔は赤くなっているのか。それまですごく普通そーうに発言してんのに。それまでの彼の言動を見ていると、そう簡単に人前で顔を赤らめたりするタイプではなさそう。なのに、いったい何が恥ずかしかったのか。
このコマで準サンが赤くなってなかったら、私はこの組み合わせにはまったく興味を示していなかったと思います。完全スルーですね。仲良しでいいねーくらいだったでしょう。
しかし、予期せぬ記号的表現、顔に書き込まれた三本線。なんで?なんで赤くなってんのこの人?という疑問が、私をこの二人への萌えに導いたのでした。


なぜ?という疑問が、まだ非常に情報の少ない和サン準サン、利央への興味に変わります。
私は、彼らを少ない情報からどういうキャラクターなのかと類推することによって、一見クールそう、とまでは言わないにしても、それほど感情の起伏の激しくなさそうな準サンがなぜここで笑顔を浮かべつつ顔を赤らめているのかという答えを出そうと思ったのですね。


原作からはっきりわかる彼らの情報(やや私の印象が入ってますが)は、以下のような感じ。

所属高校:名前不明。シード校。つまり結構強い。武蔵野(榛名のいる高校)が勝ち進めば五回戦であたる。

●和サン(和巳):(黒髪短髪、おっさんぽい)三年生。呂佳さん(利央の兄)を尊敬している。一年の利央にかなりめちゃくちゃなこと言われても怒らない、度量の広そうなキャラ。いかにも頼りがいのある先輩っぽい。
●準サン:(黒髪真ん中分け)二年生。日常的に利央をアホ呼ばわりしたり意地悪言ったりしてからかっている。熱くならなそうな、ややクールな印象(でも野球に対しては真面目そう)
●利央:(白髪クセ毛)一年生。呂佳の弟。多分にババコンかつブラコン。上の先輩二人に比べるとかなり子供っぽい。先輩に対してかなり失礼な言動もあるが、基本的には悪い奴でないと大目に見られているようである。
●呂佳:(まだ名前しか登場していない)利央の兄。現在「友だちに頼まれたから」美丞大狭山のコーチをやっている。自分の弟は誘わなかったが、榛名を美丞大狭山に誘って、断られている。(そのことを根に持った利央は榛名を気にしている)現役選手なのか、もう引退してるのか、顔、年齢、どこの高校にいたかなど、一切不明。


まず、大きな謎になってくるのはメオトマンザイの切っ掛けになった話題の張本人、呂佳さんです。この人に関してはわからないことが非常に多い。


和サンはどうやら呂佳さんを非常に尊敬しているようです。準サンがちょっと話を振っただけで明らかに嬉しそうに話に食いついてきています。誰も聞いてないのに、呂佳サンてすげー人だよ語りまで始めてしまっています。

「しっかし呂佳さん…… 
友だちに頼まれたからって 
コーチやっちゃうんだもんなァ」
「ちょっとマネできないオトコギだよなァ」

「友だちに頼まれたからってコーチをやっちゃう」のが、なぜ「ちょっとマネできないオトコギ」なのか。これも正直、話の中だけではよくわからない。
私が穿って考えすぎなだけで、単に「友だちに頼まれたから」という理由だけですぐにコーチをしてしまうというのが凄い、というだけなのかなあ。美丞大狭山という学校との彼らの高校の関連もわからない。別にないのかもしれない。単に呂佳さんの友だちがそこにいたってだけで。
いろいろ考えましたよ。単に、呂佳さんは今現在も現役の選手(大学野球とかで)なのに、友だちに頼まれたから更に高校のコーチまでやっちゃってる(しかし、わざわざ榛名をスカウトしようとするくらいだから結構スポーツに力入れてるとこ?そこのコーチを頼まれる呂佳さん=かなりの実力者?)のが凄いというだけなのか、
和サンや準さんがいる高校(仮にA校とする)と美丞大狭山は昔から近くにあってライバル校だったが、A高校の卒業生(=和サン準サンの先輩)だった呂佳さんが、「友だちに頼まれたから」という理由だけで昔の敵のコーチをやっているから、それがオトコギ?とか(我ながらそれは穿ちすぎです)


まず呂佳さんが和・準と同じA高校出身者であるのかさえ、断定はできない。だって、先輩だったら呂佳先輩、もしくは(名字)先輩とか言うんじゃないかなあ。
しかし、この三人の中でも、利央は二人を「和サン・準サン」と呼ぶし(フルネームは出てないが、たぶん「和巳」「準」が名字ということはないと思う)、準サンは「和サン」と呼ぶ。もしや下の名前をサン付けで呼ぶのがA高校野球部の伝統なのかもしれない。だったら呂佳サンもA高校出身決定なんだけど。
でも、それにしては和サンの反応にちょっと距離感がある気がするんだよなあ。自分の親しんだ先輩の話キター!って感じしない。凄い勢いで呂佳さん話題に食いついてはいるのに。
同じ高校出身でも、年が離れていて同時期に野球部にいたことはないとかかもしれない。実力者である呂佳さんは伝説の先輩として語り継がれているのかも。それとも、高校は別だがカリスマ的な選手で、少し下の世代には有名人とか。「オトコギ」という表現を使うあたり、やや身内感覚な気がするのでやはり前者かも。


それにしても、「男気」という表現で誉めるのは、かなり強い呂佳さんへの和サンの尊敬感情を表していると思う。しかも、「ちょっとマネできない」男気。


あと、なぜ下の名前で呼び合うのか。普通、同じ名字の人が部に二人いる、とかでなければ下の名前で呼ぶことはあまりないと思う。(女子だと雰囲気によってはあるかも)ただ、中学時代の阿部もシニアチームで「タカヤ」と呼ばれているし榛名も「元希」と呼ばれているので、チームによって違う雰囲気を表すひぐちさんの書き分けなのかもしれない。
それとも、この三人(+呂佳)がもともと高校に入るより前にお互い知り合いだった、という可能性もある。中学校が一緒だったとか、家が近かったとか。そうしたら、やたら仲が良さそうでお互いの性格も理解しあってそうな三人の理由もつく。
(でも、利央に対して「悪いヤツではない とは思う…」という表現はやっぱり、知り合って間もないのかもという感じ。それか、和・準は先輩の呂佳さんに弟の話を聞かされていたのかもしれない)
この三人の仲良しの理由は?それとももともとここの野球部はこんな和気藹々先輩後輩人間模様なのか?まあそれはそうなのかもしれないが、「メオトマンザイ」という表現をされている和サンと準サンはバッテリーなのか?どっちが投手でどっちが捕手?でも、和サンはともかく準サンの榛名へのコメントの仕方など、あまり投手っぽくも捕手っぽくもない気がする(私は野球に詳しくないので、断言はできませんが)。和サンは「武蔵野の問題は捕手」と見抜いたキャラなだけに、投手とも捕手とも予想できる。
利央のポジションも謎。榛名に対する反感は同じポジション(=投手)だからなのか?それとも関係ないのか?しかしもし利央が投手なのだとしたら、「和サンが車にひかれれば」ベンチ入りの利央が出場できるかもしれない、のなら利央=和サン=投手?それで和サン準サンが夫婦漫才なら準サンは捕手?うーん、あまりしっくり来ない。(個人的には和サン投手準サン捕手なのはかなりイイ感じですが)たぶん和サンは三年でレギュラー、もしかすると主将か部長クラス。準さんもたぶんメインキャラなんだろうから二年の固定レギュラーなのでしょう。利央も実力校で一年のごく最初からベンチ入りしてるんだからかなりの有望株。ここと西浦高校が試合することになれば出てくるキャラ達であることは間違いない。