対伊藤さんに関しては

沈黙して何事もなかったように次の話題に移ろうと思っていたのですが、トラバ先などを拝見させていただいて、やはり一応私の感じたところを書きとめておくことにしました。
id:urouro360さんのところなど拝見して、私が感じたことというのも、腐女子というものの心の動きを表すのにもしかしたら重要ではないか？と思ったのです。
私は腐女子の代表などではまったくなく、あくまで「一腐女子」なのですが、参考までに。

今回伊藤さんに対して私が沈黙＝放置という姿勢をとったのは、まったく個人的な感情からです。
「私はこの人嫌いだ」と思いました。

まずどこからかと言いますと、id:goito-mineral:20040816

たしかに、腐女子的な視線に対する、男子オタのホモフォビアにもとづく反発はあるだろう。だが、彼らは弱く、臆病なだけなのだ。自分が誰かの欲望の対象になること（もっといえば、愛されること）が怖くて仕方がないのだ。だから、あまり気にすることはないよ、と思う。さらに強くいえば、腐女子を攻撃する心理と、彼らが「モテない」原因は、実は同一のものだったりする。

まずここで、「なんかこの人断定してますけど」と思いました。「さらに強く言えば」以降とか、物凄い断定の仕方ですけど。それはあなたがそう思っているだけでしょう。
男性オタについて知っているという口ぶりですが、この人どのくらい知ってんでしょうか。そう不思議に思いました。よしんば知っているにしても、この人の自説がどれだけ有効なのか。私には判断できませんが、とにかくちょっとムッと来たのです。

その後の「もっと気楽にしていい」などの伊藤さんの言葉について、私がコメントで「わかっていない」という軽率な表現をしてしまったために誤解されているようなのですが、理解をしていない、してもらえない、という高次のレベルの話ではなくて
「この人は、いわゆる腐女子文化の歴史、それらが生んできたもの、関係の評論、代表的な作品、そういうもの全般に対する一般的な知識が欠けているのだな」
と感じたので、「わかってない」と言いました。伊藤さんにも、それ以外の方にもわかりにくかったと思います。申し訳ありません。
たぶん、それらに関しての知識があれば、ああいうことを簡単に口にすることはできないと思いました。

私のコメントの下に書かれた伊藤さんのコメントについてですが、
伊藤さんはどう思っているのかわかりませんが、あれがこういう内容だったなら、こちらの心証はまったく違っていました。
もし私がお願いする立場なら、こういう感じに書きます。

（伊藤さんの元のコメント）

だから、これはとても手間のかかる話なので、おいおいに、という感じで結構なのですが、では「まったくわからない」私に、「まあ、なるほど、そういうことなのですね」といわせる程度にはいろいろご教示いただければと思います。内面の言語化という、これはこれでたいへんハードな要求ですので、さあやれ、すぐにせよ、とはいいません。

私なら

これはとても手間のかかる話かと思いますので、すぐにとは申しません。「まったくわからない」私に、もしよろしければですが、ご教示いただけませんでしょうか。内面の言語化というハードな要求ですので、もちろん無理にではありません。お暇があれば、その気があればで結構です。

私には、伊藤さんのコメント、一連の文章は「この人は人にものを頼む時にこういう態度をとるのだな。腐女子や男性オタ、そういったものを自分より下に見ている、こうして話をしている段階から既に自説の中に取り込んで、その前提の上で喋っている、そういう自分を別に不思議に思わない、そういう自分に気づいていないのだな」という風に感じました。
実際に伊藤さんがどうお思いなのかはともかく、私はそう感じられました。

私は、自分の記事のコメントでも書きましたが「わかってもらえなくていい」とは思っていません。「わかってもらえない人もいるだろうがそれはしょうがない」とは思っています。ですが、「わかってないですね」と言っていきなり線を切ってしまうようなことはしたくありません。ですから、「わかってない」という表現を使ったのはやはり軽率でした。重ねてお詫びします。

私が伊藤さんを「はねつけた」ように見えるのは、ひとえにわたしが伊藤さんを好きになれないからです。知識がないと言いつつも、断定的な、わかったような口調。人にものを頼む時の社会人とは思えない物言い。そういうものが気に入らなかっただけです。
「わかってもらえなくていい」と殻を閉ざしているわけではありません。「伊藤さんには嫌だ」なだけです。
id:hizzzさんが伊藤さんの行為をセクハラに例えていらっしゃいましたが、私もまさに同じことを感じました。ああいうことをコメント欄で不用意に要求することがセクハラにあたる、ということに気づけないほどに腐女子に対して予備知識のない方に、非常識な物言いでものを頼まれて不快でしたので、お断りしました。それだけです。
子どもじみた、単純な感情です。id:izuminoさんのおっしゃることもよくわかりますが、私は、伊藤さんには、嫌です。まったくもって個人的な感情で、嫌だと思います。
セクハラは、される相手によってセクハラであるかないかが変わりますよね。私がされたことは、伊藤さんが相手の場合、私にはセクハラだった。だから不快でした。
「そのくらいいいじゃない、たいしたこと言ってないじゃない、向こうだって歩み寄ろうとしてるじゃない、そういう相手とわかりあうことも必要でしょ」とおっしゃるのであれば、私は真っ平御免ですので、「さあやれ、すぐにせよとは申しません」と言われても不快感を感じない腐女子をお探しになってくださいとしか言えません。

伊藤さんでない相手に、世間一般的に見て礼儀にかなった言い方をされたのなら、やりとりをすることもあるかと思います。
私は、「わかってもらえなくてもいい」というスタンスではありませんことを強調しておきます。

追記：http://diarynote.jp/d/38638/20040819.html
あ、もちろん他にも言いたいことは山ほどあるんですけど、なんか皆さんが私が言うよりもずっと詳細に言ってくださってるのでいいかー、とりあえず心情的なところだけ、と思って省略してしまいましたすいません…
ちょっと言及するのに徒労感を感じてまして。今腰痛がひどくて。
「くるくるパー」とってもウケました。

1976腐女子は、日記ではありません。1976年に生まれた腐女子として、腐女子である方、腐女子でない方が「こういう人もいるんだな」「腐女子の中にはこんなことを考えている人もいるんだな」という程度に読んでいただければ。
私はちゃんとした文章を書くのがあまり上手ではないので、わかりにくく、伝わりにくいところもあると思います。ですが、自分はこれは違うなとか、これは共感するなとか、思っていただけるといいなと考えて書いております。

内面の言語化は自分でやります。もちろん、人に示唆され、他者とふれあってできることもたくさんあるでしょう。むしろ、そっちの方がずっとずっと多いと思います。（たくさんの方に、今回のことについてコメントいただいたり、御自身のブログで書いていただいたりしたことも、全てその一環、何よりも私にとって実になる生きた経験だと思います）
そういった切っ掛けをいただいたことに関して、伊藤さんには大変感謝しております。まったく腐女子に対して知識のない方が、そのような反応をなさるのだというモデルケースとして参考になりました。（きっと腐女子について興味のある方たちにも）
書き換えの件に関しては、私がその時確認した限りでは確かに「さあやれ、すぐにせよ」が消えていたのですが、後からまた復帰したようです。それもまったく瑣末なことでした。今あるコメントが私にとって居丈高であることは別に変わりませんので。
見間違いだったかもしれません。だとしたら、申し訳ありません。お詫びさせていただきます。
それと、ありがとうございました。

おお振りPOPに関しましては
http://www.cute.to/~spanks/　こちら８/１６の

矜持うんぬんとは関係なく、まっとうな本に「腐女子にオススメ！」的店頭POPをつける店員は阿呆だと思う。腐女子以外の客を逃すようなPOPをつけてどうする。

それからid:haikyo:20040813#p2

その筋のコーナーならともかく、新刊台でこんなPOPをつけるのはまったくもってけしからん。新刊台のPOPはより多くのお客さまにアッピールしなければならないのに間口を狭めてどうする。

ボーイズラブ系のお客さまの中には、その手の本をお買い上げの際に非常に恥じらわれている方も多いと言うのに、そういった葛藤を押し隠しやすい新刊台にそのようなPOPをつけてしまったら、デリケートなお客さまは買いたくても買えないじゃないか。

などのご意見もあわせて御覧いただきたいと思います。
（あともしかして、私の意見全部読んでないのでは？
　http://d.hatena.ne.jp/emifuwa/20040802#p3　とか読んでます？
　私、腐女子視点だけで嫌だって言ってるんじゃないんですが）

それから、今回の件で反応してくださったたくさんの方、別に私の味方をしてくださったとかいうわけではなくて、単に御自身の意見を表明されただけだと思うのですが、伊藤さんに私の文章の意図などをわかりやすく説明してくださったり、ああもうとにかくいろいろと、御礼を言われても困惑されるかと思いますが、ありがとうございました。まだブログをはじめて一ヶ月も経っていないというのに。
はじめたばっかりの時に「腐女子の矜持」がずいぶん色んなところで取り上げられたりして…いろんな方に…なんというか…
うん。
いちいち反応するのもウザかなーと思って一人でえへ、とかしてました。
本当に、ありがとうございます。

追伸

「おおきく振りかぶって」２巻、２３日、もうすぐ発売です。
　伊藤さんは内容に言及されていないところを見ると未読なのかな、と思いますので
　是非読んでみてください！