いまさら『ゼーガペイン』見ました

友人に勧められ、今更ですが「ゼーガペイン」というアニメを見ました。

ゲームとかそっちの方はまったくわかりません。予備知識ほぼゼロの状態で、DVD借りてきて少しずつ見ていきました。


なるべくネタばれを避ける感じで、感想。
(*現時点でも、人の感想を読んだりとかいろいろ見てまわったりもほとんどしてないので、間違っている部分があったらすいません)


ゼーガペイン FILE.01 [DVD]

ゼーガペイン FILE.01 [DVD]


どういう話か説明するとネタばれが避けられない」「とにかく6話目まで見てくれ!」と言われたので6話目まで視聴。
なるほど、こういう設定のSFかー、と納得。


大雑把に言えば、二つの世界があって、主人公は両方の世界を行き来することになります。
片方は普段と変わらない日常。学校があって、かわいい幼なじみとか居て、喧嘩別れしたままの友人たちが居て。
もう片方の世界は、なんか荒廃してて、基地みたいのがあって、デッカいロボットに乗り込んで敵と戦わないとなんない。
そう言ってしまうとあまりにもテンプレな設定に思えます。アニメやらファンタジーやらを見慣れた視聴者は、さほど新鮮味を感じないかもしれません。
でも、千葉の舞浜に住んでて、親は仕事でいつも家に居ない、コンビニに買い物に行く、水泳部の部員集めがうまくいかない、夏休みには渋谷に行きたい…主人公が生きている、現実の、あまりに身近な日常が、主人公の目からも、私たちの目からも、時折不可思議な違和感にさらされます。


荒廃したあっちの世界は、もちろん大掛かりなゲームの世界なんかではない。これは誰でもわかる。じゃあ、あっちは何なのか?敵ってなんなのか?こっちの世界との関係は?あっちで負けたら、どうなっちゃうの?
たぶん視聴者が想像してるのより更にもう一段上の「え、そうなのか!」という真実が6話目で判明します。

この設定が私にはなかなか面白く、「結局どういうオチをつけるのか?どこにおさめるのか?」という興味で引っ張られて、最後まで視聴しました。


個人的に、いいと思ったところと、あんまり好みじゃなかったところ。


良いところ

・設定それ自体。あとから色々設定を小出しにされるのでややアンフェア感はあったものの、なんとなく「SF設定のちょいミステリーな青春もの」を見るような感じで見られた。西澤保彦井上夢人にこの設定で書いてほしい…!!
・現実世界パート。ここが非常に丁寧に描いてあって、良かった。とても好き。
・また、それが揺らいだりするいろいろな場面が(弟が一人でゲームしてるとことか)ホラーにも感じられて、個人的に好き。


あんまり好みじゃなかったところ

・あっちの世界の、キャラや衣装デザイン。もちろん現実世界との差異を際立たせるためのものとはわかっているけれども、あの中国娘二人のデザインは無いだろ。ほかのキャラは割とまともな格好してるのに、あの二人が居るだけでリアリティがいきなり削がれて最後まで馴染めなかった。伊東岳彦自重しろ。
・リョーコはかわいい… ん だけど…中盤あたりからなーんかすげー主人公にとって都合のいいキャラになったような…と、逆にその変貌振りにホラー感さえ感じた。わざとなのかも。リョーコという名前は量子に引っ掛けてるのかな?とか。
・ゼーガのデザインはすごくカッコいい。でも、その必然性がよくわからない。特に最初の方だとゼーガがどういう経緯で作られたかわからないので、カッコ良すぎるがゆえに「あんなカッコいい必要あるのか?」「もっと実用性のあるデザインにしたらいいのに…第一その予算や技術はどこから…」とか思ってしまった。話が進んでいったらまあ納得した。ロボット興味なくてすいません。
・現実世界パートが好きなため、それがあんまり登場しない箇所がかったるい(ロボットアニメがお好きな方はそうではないと思います、たぶん)。
・主人公の「主人公的」言動が、鼻につく…というほどではないけど、上手く作用していない気がした。「守ってやる!」という台詞の上滑り感が最終回付近でようやくなんとか。ああ、この辺もわざとなのかもしれない…


分類すると「ロボットアニメ」に分類されるのかもしれないけど…私はあの…ロボットアニメというものに…あまり思い入れがなくてですね。
だから、「いかにもロボットアニメ!」な部分は、それだけでは別に…さほど…こう…興味をそそられなかったですね…ゼーガはすごくカッコイイけどさー。あの緑色の半透明んとこカッコイイ。


だもんで、結構途中までは「中国娘のデザインなんとかしてー」「ロボットアニメ部分なくても成立するよね?(褒め言葉のつもり)」とか吐いてたんですが、最終話まで見てみると、(すごーーーく感情移入したり、手放しに「大好き!」とまでは言えないにしろ)なかなか面白かったし、考えさせられもした作品でありました。
たぶんいくつかの場面を忘れないし、時々思い出すと思う。


「生きる」って、「生きている」ってどういうことなのか。なんで生きるのか。なんで生きているのか。
いまのこの、こんな時代で、こんな世界で、力強くそれを問いかけようとした作品だと思います。設定は凝っているけど、問いかけはすごくシンプルで、揺るぎない。


キャラ萌えとかあんまりなくて、熱のこもった硬派な作品だなーと思いました。のめり込む人はのめり込んじゃうかもだけど、広く支持を得るタイプの作品ではないのかも…(実際はどうだか知らないので、的外れなこと言ってたらすいません)。


いま、「ゼーガペイン」をBlu-rayディスク化するための応援活動などが行われているそうです。
http://zegapainbd.web.fc2.com/
以前ゼーガペインを見て、面白く思ったことのある方は、応援してみてはいかがでしょうか…
リンク先にある写真のアルティール、カッコイイ…!!!光ってる!


もしこれから初めて「ゼーガペイン」を見よう、という方は、何か調べたりせずにそのままレンタルショップダッシュです!アマゾンのカスタマーレビューとかは微量ながらもネタばれあるので見たらダメ!