オリオンとシトラス


友人に借りた、山本ルンルンの「オリオン街(ストリート)」と「シトラス学園(完全版)」を読む。

オリオン街(ストリート) (1)

オリオン街(ストリート) (1)

マシュマロ通信」と同様、装丁がかわいい!
「オリオン」に出てくる目の隠れたそばかすキャラ(みどりちゃん)って、まんまサンリオの世界だよなー。パティ&ジミーっていうか…(目隠れてないけど)髪の毛の処理はキキララと同じ。あと外国のアニメ。
キャラは微妙にというかまあかかなりかぶってる…見た目はほとんど同じだったり(笑)


「オリオン」は「マシュマロ」に比べると少しだけウェットかもしれない。「マシュマロ」の主役とその周囲の人物は、みんな同レベルのちょっとダメでかわいい子たちの集まりなんだけど、「オリオン」は違う。
ないがしろにされてる子もいれば、他クラスの男子にもモテモテの美少女もいる。


主役スモモの「友人」とみなされているキャラはみどりちゃんだけで、レベルの高い女の子たち(美人、おしゃれ、男子にモテる)はスモモと同じグループではない。おさななじみで仲の良かったみどりちゃんの冴えない外見をスモモはダサいと感じており、かわいい子グループの仲間に入りたいと思っている。
みどりちゃんは見た目は冴えないものの、我が道を行くマイペース型。趣味で知り合った年の違う友人もたくさんおり、自分の作品を披露する個展まで開いてしまう。スモモはそんな彼女に時々圧倒されるが、やはりかわいい女の子グループに入っておしゃれやブランドの話もしたい様子。
「マシュマロ」ではあまり描かれない「憧れの●●くんにアプローチ!」なネタもよく登場する。「マシュマロ」だと、男子女子のグループ内にそういう感情は描かれない。でも、「オリオン」はキャラ同士に距離があるので、恋愛ネタもできる。
「マシュマロ」よりも、自分の周囲にいる人間に対するコンプレックスが描かれる度合いが高いので、「オリオン」は「マシュマロ」に似たテイストで読めるながらももう少し感情移入しやすい作品になっている。「マシュマロ」よりはリアリティがある、と言ってもいいかもしれない。「マシュマロ」はリアリティがないところがいいんだけどね。
最終巻の六巻は非常に唐突に終わる。転校生が来たのに終わりって…新聞の連載漫画ってこうだよね(笑)
六巻の帯は羽海野チカがかわいいイラスト入りで書いてます。スモモとみどりちゃんとはぐがドーナツ食ってます。


シトラス学園 完全版 (Ohta comics)

シトラス学園 完全版 (Ohta comics)

こちらは「マシュマロ」や「オリオン」とは違ったテイストの作品群。表紙の黒が象徴するように、ブラックで毒のあるネタなども多く収録されてます。
表題作の「シトラス学園」は「CUTiE comic」「Vanilla」に掲載されたもの。
絵柄は「マシュマロ」「オリオン」と同系列ながらも、内容は寓話っぽいホラーやファンタジーな展開になることが多く、前2作品とはかなり異質な仕上がりになってます。初めて読んだルンルン作品がこれでした。
このコミックスは全編モノクロ、かわいい絵柄でホラーをやられるとこれがなかなかいい。テイストとしては、魔夜峰夫の短編っぽい感じです。「パタリロ!」の巻末についてるような「茸ホテル」みたいな感じ?
是非、カラーのホラーものを読んでみたいですね!あの色彩感覚でどんな恐ろしさを表現してくれるのか、気になります。

その他の様々な短編は「ガロ」に発表されたものなどもあり。こっちはもうちょっとシュールなショートショート中心。頭身も高め。


どうでもいいけど、目の大きい二枚目男子キャラ(ライムとか)の顔は全作品ほぼ同じなルンルンさんですが、「シトラス学園」で、ある男子キャラのお兄さんが出て来て(もちろん大人外見)、彼の昔の写真は弟にそっくり、つまり目デカ顔だったので、そうか、ライムもおっきくなるとこんなんなるんか…!と密かに萌えてました。この作品集にはルンルンさんの描く大人男子キャラも割と登場しますが、正直サンタにちょっと萌えた(告白)ダメ男っていいな、いいな〜