腐のできるまで・中間報告

昨日、桐青まとめ語りまで行き着けなかった悔しさのあまり、「野球部の後輩の定期入れの中に俺の写真が…」というスレが立った夢を見てしまいました。1はどうやら人格者なようで、ネタだと入る煽りにも目もくれずコテハンの真面目なレスを真面目に受け止め、スレ終了間際にはそんな彼の人柄に住人が虜に。いろいろなところで張られて見に来た新参の煽りも誰もが華麗にスルーするほどの団結力。どこぞの誰かとはえらい違いです。番号が900に達する前に1は件の後輩に対し、自分の気持ちを話した上で今まで通りに主将として、先輩として、厳しく優しく接することを決意。スレは一つのみで円満終了。伝説になりました。
…ふーよかった、と安心したところで目が覚めました。夢の中までemifuwaさん全力投球。

桐青語りと言えば、ここから始まった…(id:emifuwa:20040921)3巻でゆったら二話目にあたります。皆さんも是非あらためて3巻を横に置いて読んで…いただいても…あんまり…同意は得られないような気もします…が…
さて、3巻(と上記の腐語り)を読んでいただいていることを前提として、桐青腐萌えまとめ。桐青初登場の浦総/武蔵野戦〜夏大会抽選会〜対西浦戦直前まで、約2ヶ月間の、主に準太の心の動きを(勝手に)追っていきたいと思います。お持ちの方は、3巻、アフタ12月号、2月号をお手元にご用意いただけると、よりわかりやすいかと思います。

彼らの初登場は、浦総/武蔵野戦でのスタンド観戦時。物語の中では5月5日。桐青の監督命令で榛名の投球を見に、主将で正捕手の和己、エースの準太、副捕手の利央の三人で訪れています。
この時の準太は、どちらかと言うと、明朗で外向的な印象のあるキャラクターでした。
よく喋るし(写植になってる以外の手書き文字の台詞も多い)、利央の台詞「準サンてさあ オレをイジメてるわけェ?」準太の台詞「今さら なに 言ってんだ?」からもわかるように、準太はいつも後輩の利央をからかって楽しそうにしている、そういうキャラとして描かれています。この後まったく見られなくなる、口を大きくあけて笑う顔なども見られます。ビジュアル的にも、髪が長いせいもあってか、軽薄とまでは言いませんが重厚な印象はありません。西浦キャラで言えば、実力と自信の伴った水谷みたいな感じ。榛名の球に対して特に驚いたり感嘆したりする描写がないことからも、それが伺えます。
ですが、抽選会会場(物語の中では6月半ばあたり。単行本には未収録/アフタ12月号)、桐青が西浦と対戦することが決定したのち、硬式になったばかりの西浦を侮った発言をしたチームメイトに主将の和己が喝を入れる場面、その前後では準太は一言も喋りません。(その前の回、一コマだけ桐青の面々が登場した場面では、隣の和己と笑顔で何か喋っているところが観測されていますが)視線が動いたりしてはいますが、基本的に口をつぐんだままの全くの無言です。

スタンド観戦時の準太は、利央に対してはからかうような発言しかしていませんが、和己と野球の話をする時は真面目な顔で真面目な話しかしていません。シリアスな話の時に茶々を入れるようなキャラではないようなのですが、それにしてもここでは、ビジュアル的にも初登場時と印象が少し異なっています。西浦キャラで言えば(またか)水谷から阿部にシフトしたような。無言の眼差しからは強い意志が感じられます。スタンド観戦時と比べて目が少し大きくなり、黒目の部分も大きくなり、なぜかこの時は後ろに座って身を乗り出している利央を和己がかまっても、ひたすら無言です。前回登場の準太のキャライメージを確定するなら、ここでちょっと利央をいじる言動があってもいいのに、口はへの字につぐまれたまま。スタンド観戦時の軽やかなキャラの面影はなく、別人のようと言ってもいいくらいです。
更に試合直前、桐青高校練習中でも(物語の中ではたぶん7月10日あたり/アフタ2月号)、5月のスタンド観戦時のライトな雰囲気は完全になりをひそめ、黒目度にも拍車がかかり、眼差しはいっそう鋭くなっています。そして、和己が「今まで世話になったな」的発言をしようとすると「なんで今ゆうんスか?」「あさって投げるでしょ」と言い返しています。

2月号の感想でも書いたことなのですが、ここを見て私は、5月のスタンド観戦時から7月の現在までに、この二人の間に何かがあったのだ…!!!と確信したわけです。
以下は完全な私の妄想となりますので、まあここまで私の桐青語りに付き合っている方にいちいち注意する必要もないかと思いますが一応注意。

えー何度も言ってますが、私は準太→和己の支持者です。準太の片思いです。
5月のスタンド観戦時では、和己はまだ自分が惚れられているとは夢にも思っていないのでしょう。だから呑気にメオトマンザイとかかましてられるのです。
準太も多分上手に隠していたのだと思います。利央に接する時の準太の意地悪な先輩キャラは、和己への気持ちに煙幕を張るための、本来の準太のキャラとは違ったキャラなのだと考えています。
和己と二人だけでいるよりも、後輩の利央を間において、かまったり、からかったりする中で仲良くしている方が、たぶん準太は楽なのです。和己と二人でいて、野球以外の話になると、どうしたってボロが出そうになるからです。三人でいれば、まずいと思ったら利央に話を振ったりして散らしていれば最悪の事態は回避できるし、ギャグにまぎらわすことが出来ます。利央をからかって遊ぶキャラという明るい自分を演出して、内に隠した気持ちは見せずにいたかったのでしょう。
利央は常に十字架を身に付け、自分が罰当たりな発言をすると十字架にキスして祖母にフォローを頼む(笑)といった一風変わった子なので突っ込み所は満載ですし、生意気ですが基本的に善良で憎めないキャラなので、そういった役割には大変適していたと思われます。
だけれども、たぶん5月から6月半ばまでの間(抽選会まで)か、7月試合前までの間に、準太の気持ちが全部だか、まだ疑惑の段階までなのかはわかりませんが、和己の方にわかってしまうような出来事があったのではないかと思います。
準太的には、自分が和己の恋愛の対象になり得ないのは、長い付き合いでわかりすぎるほど良くわかっているのです。選手としては一年の頃からレギュラーで投げ、和己とバッテリーを組み、甲子園にまで行ったものの、それ以外の部分では、そりゃもう毎日が戦力外通告な生活です。だから、言い出すことは無論できずに利央を間に挟んで明るいキャラを演出して、その場をしのいでいくしかなかった。
本人も、そっち側でいたかった部分がかなりあると思います。自分は本当はこっちで、利央のアホをからかったりして、三年二年一年の先輩後輩で楽しく、冗談を言ったりして付き合える仲間なのだと。自分はそれで十分満足しているのだと、そう思いたかった。
ですが、本来の自分とは違うキャラクターにはやがて無理が生じます。誤魔化している間にも、夏大会は迫って来ます。どんなに頑張って、例え甲子園で優勝しようとも、夏が終わればそれでおしまい。
準太のライトな雰囲気はなくなり、7月の試合前には、一種独特の緊張感が和己と準太の間に漂っています。このタイミングで「今まで世話になった」という発言は、最後の夏を前にした三年生の台詞だと考えてみればそれほど不自然でもありませんが、準太は激しく反発しています。
5月にはまだ利央いじりとか出来ていた準太ですが、日を追うごとに和己との逃れられない別れは近づいてきます。中等部〜高等部の時と違い、今度は容赦のないお別れです。二度と会う機会がなくなることも十分にあり得ます。
そんなストレスが高まって、利央いじりとかする余裕のなくなっているのが6月の抽選会時(準太終始無言)、決定的な何かがあったのが、その後でしょう。

準太の気持ちが和己に知れてしまう「何か」があった後(決めつけてますがキニシナイ)、7月試合前、練習を終えた和己は突然準太に「お前とも長い付き合いだけど 特にこの1年はバッテリーで世話になった ありがとな」と言います(アフタ2月号)。準太は「………」と一瞬沈黙したのち「なんで今ゆうんスか?」と尋ねます。
和己は「え……やっぱりブルペンで一番多く受けたし 明日はここじゃ投げないから…」と言いますが、準太は強い眼差しで「あさって投げるでしょ」と言い返します。和己は準太のその口調に、次のコマで気圧された表情をします。そして二人のロングのカットになり、和己は「そっか あさって投げるか」と言い、準太は「そっすよ」と応えます。
しかし次のページ、和己は手を挙げ準太を制して言い放ちます。
「わかった こう言やいんだ」「今日で“練習”は終わりだ!」
その台詞に、準太が眉を寄せ少し歪んだ表情がアップになり、「ドキ…」という効果音が入っています(こう書くと少女マンガみたいだけど笑)。

和己としては、本当にただ「長い付き合いの後輩として、今まで一緒に練習をし、甲子園を目指した仲間として、一年組んだバッテリーとして」、「今まで世話になった」「ありがとな」と言っているだけなのかもしれません。
ですが、現在既に自分の気持ちが和己に知れているとわかっている準太にしてみれば、和己がそのように自分に接すること自体が苦しいことなのです。かなわないとわかってはいても、実際向こうが自分の気持ちを知らずに同じ発言をするのと、知っていてあえて言うのではまったく意味合いが異なります。
準太の気持ちを知った上で、あくまで仲間として、後輩として準太に接し、「今までありがとう」的な発言をする和己に、準太は「あさって投げるでしょ」と言い返します。和己が気圧されるほど強い口調です。
「まだ終わっていない」と、言わば攻める姿勢を準太が初めてあらわにしたわけです。今までずっと自分の感情を隠し、ないものとして来た準太にとっては、決死の覚悟とも言えるでしょう。
ですが和己は、それを聞いて更に言葉を続けます。「わかった こう言やいんだ」「今日で“練習”は終わりだ!」
思いのほか食い下がる準太に対して、和己はわざわざ言葉を選び、「練習はこれで終わり」「明日からが本番」と、あくまで自分が一番に据えているのは野球であることを強調します。
練習は終わり。あとにあるのは試合だけ。試合が終われば、和己は今度こそ本当に「今までありがとう」と言って去っていくのです。
和己は、準太の気持ちをわかった上で、はっきりと区切りと終わりを示してきました。それが実際は本当に野球部の主将としての、準太だけに向けられたものではない発言であったとしても、最初に一対一でその言葉を向けられた準太にしてみれば、そう思うことはできません。

かくして、初登場時は明るくよく喋り、後輩をからかって遊ぶちょっとイジワルな先輩キャラだった準太が、アフタ2月号西浦対戦直前には、まるで冷酷無比な殺し屋みたいな顔で試合に臨む、暗い情熱を胸に秘めた男になってしまったのは、そういうわけだったのですね。皆さん、ご理解いただけましたでしょうか。
彼が少しでも和サンと一緒に野球ができるように、是非皆さんも桐青を応援してあげてください。奴はやります。きっとやってくれます。
1976腐女子は、桐青のエース準サンの劣情を応援しています。

これでまた、もうあと数日で発売のアフタで準サンがまた利央をいじってニヤニヤしてるキャラに戻ってたら笑えるんですが、それはそれでまた。いくらでも理由の付けようはありますしね!てゆうか私ってどうしてこう、あと数日で自分の妄想が全てぶち壊れるかもしれないって時に限って熱く語ってしまうんじゃろー。まいっか。生き様見やがれ!