中二病時代(「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」感想/ネタばれ注意)


「不死鳥の騎士団」アマゾンに頼んで、十一時半に届いて、二章分くらい読んでから会社持ってって休み時間に読んで、うち帰ってきてお風呂入ってから十時過ぎに読み始めて、結局三時過ぎまでかかって読破しました。


今までの巻の中で、一番爽快感やカタルシスは少ないですね。読んでて辛いところもあるかも。でも私はこの巻、なかなか好きです。
ハリーは冒頭からイライライライラしっぱなしだけど、彼の情緒不安定さとかイライラする気持ちは十分理解の範疇なので、あー大変だねとは思うんですがあまりムカつきはしません。
そりゃー、ああいう生育環境であんだけのもの背負わされて周囲にはあることないこと言われまくりで、それでいて何も教えてもらえなかったらイラつきもするわな。まだ十五才だしね。祭り上げられたり貶められたり(しかも国をあげてだもんなあ)のアップダウンが激しすぎて、本人もそれについていけてない様が不憫です。がんばれー。


そして、物議を醸しているであろうハリー父、ジェームズの人間性問題。
ま、あれスネイプ視点だからなあ…とは言っても、当時のスネイプ少年の見えてない(聞こえてない)部分も出ているような気がするので、あれいったいどういうものから切り取られた記憶なのかよくわかりません。スネイプの頭の中から切り取られたものなら記憶がそのまま実際の状況と重なるわけじゃなくて、「この時ジェームズが笑っているように感じられた(実際は笑ってない)」とかでかなり主観的な映像になるはずだし、その辺がわからないとどうも判断は難しい。(関係ないけどあのイジメ場面、是非藤子Aせんせいに漫画化してほしい。ジェームズの顔に凶悪なカケアミ影を入れて!)
実際スネイプだって相当あくどいことしてはいたんだろうし(予測)一概にジェームズは本当は嫌な奴だった、とは言い切れませんが、それにしても、あの苛めがそのまんま真実の映像(それを切り取ることが魔法でできるのだとして)だったら、やっぱりジェームズもシリウスも相当鼻持ちならない嫌な奴だった時代があったことは間違いない。複数で一人をだし。
ハリーはマルフォイから悪口言われたりからまれない限りは、こっちからわざわざ意味も無くちょっかい出したりはしないし。(基本的に、何か言われなければ自分から嫌味言ったりはあまりしないですよね)自分がひどい苛めを日常的にされていたから「弱いもの苛めはしない」という不文律がハリーの中にあるのだと思います。(苛められると更に弱いものを苛めるという悪循環に陥ることはよくあるので、ハリーはよく押しとどめていて偉いと思う)
ジェームズはハリーとは親子だけど、ほとんど一緒の時間を過ごしていない。生育環境からして同じじゃない。ジェームズはもともと頭もよく、運動神経もよく、みんなの人気者として子どもの頃からいたんでしょう。苛められたことなんて、ないんじゃないかな。
ハリーはその点ジェームズと似ているようで、違う。クィディッチについてはともかく、成績はそんなにいいわけでもないし。掛け値なしの人気者でもない。英雄にされたり、遠巻きに恐れられたり、周囲の目は現金で残酷です。
この巻でシリウスに「(ジェームズと)似ていると思っていたけど、違うところもあるんだな」(うろ覚え)と言われたり、もともと「ハリーは目だけはリリーそっくり」と言われてもいるし、それはたぶん根本的なところでお母さんの美点を受け継いでいるのだという表現でしょう。
下巻ラスト近く、学校を離れる前のルーナとの会話でも、そういった部分がうかがえます。
ジェームズはリリーと出会って恋をして、時折傲慢だったりした部分が矯正されたんじゃないかなあ。というくだりが今後出てくるのではないかと思います。


まああれだ。ジェームズもハリーも、中二病は誰でも恥ずかしいですねという巻です。


あとは、ジニーとネビルがかっこよくなってて嬉しかったなあ。病院で「笑いたきゃ笑え」という顔をしたネビルはかっこよすぎて泣けました。誰も、あなたのことを笑ったりなんかしない!


腐女子萌え事項*上の感想とはあまり関係がありません)
盛り上がりすぎて死ぬかと思いました。稲妻傷×薬学教授派なもんで…もう…もうもうもうもうもううわーーーーーーーーー!!!!なんですか…なんなんなんですかもう!!(逆ギレ)