「腐女子の矜持」についての記述を読む。を、読む。


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こちらで「そんなに卑屈にならないでも」と言われていますが、私自身はこれっぽっちも卑屈になっているつもりはありません。
腐女子として、自分がそうであることに誇りを抱いているし、やおいと言われるところの二次創作や、ボーイズラブもの古くはジュネものの類の中に、その辺の商業作品では太刀打ちできないような、奇跡のような名作があることも知っています。私自身はそれをとても尊く思い、大事にしています。


でも、それ自体がすばらしい作品であることと、その表現形態に可能性があることと、「原作からはそうと読み取れない、キャラクターの理解を捻じ曲げた上で創作活動を行っていること」とは別問題。


(*オリジナルのボーイズラブ作品に関しては私はあまり読んでいませんし、ここで二次創作といっしょの話はできません。オリジナルのボーイズラブ作品は、私の考えでは「腐女子的思考」と、近くても完全にイコールではないのです。ここでは、原作のある二次創作の話とさせていただきます)


私が危惧しているのは、「もっと堂々とすればいいのに」と言われた人物、「自分はこのジャンルを愛していることに自信を持っている」と思っている人物が、一般人の集うスレッドで「ゆくところ」を腐女子的呼ばわりして周囲を困惑させたり、購買層を狭めるようなPOPをたぶん本人は「よかれと思って」つけたりしているのではないか、ということです。


どんなにすばらしい作品があろうとも、それをつむぐことで、読むことで私たちが幸せになろうとも、そういう性的指向を持っていない男性同士を「くっつけて」楽しんでいるように見えることが、他者から良く映るだろうと思えるほど楽天的にはなれません。


私はむしろ、どんなにいい作品でも、腐女子の作ったものだ、それだけで蔑まれたり、正しい評価を得られないような状況には、したくはないのです。したくないから、ああいう言い方をしているんです。


そのためには、腐女子的思考を持たぬ男性や一般の女性に「だから腐女子は」「同人誌とかやってる女ってキモい」とマイナスイメージを植え付けるような行動はしたくないし、されたくない。そういう考えをもたれてしまえば、「理解はできないけど、いいものを作る人もいるんだろうなあ」という消極的な理解さえ得られなくなってしまう可能性があります。


私たちはわかって、あえてそれを選んだのだと。単純な理解を得られるとも思わないけれど、決して、何かをおちょくったり、バカにしたりしてはいないのだと。真摯な気持ちで、腐女子でいることを選んだのだと。理解してもらえなくていい。それだけ知ってほしいのです。


自分の好みがあまり一般的でなく、特殊である、人はそれほど愛さないものだとわかっている。でも、私はこれが好き。他人に押し付けて嫌な顔されようとは思わないけど、もしかしたらわかってくれる、それを好きになってくれる、求めている人がいるかもしれない。
そういう人のためにも、自ら首を絞めるようなことはしたくない。公の場で、大声で「これは○○ですよ」と叫んで顰蹙をかいたくない。そうでない人に不快感をもたれるような、そんなことなんでしなくちゃいけないのか…
そんなことをしなければ、もしかしたらそれに偏見を持たずに接してくれる人がいるかもしれないというのに。


こういう考え方は、どんなオタクでも共通するんじゃないでしょうか。

それよりも、腐女子の内面にある、自分や自分たちを攻撃するような態度のほうが気になる。もっと楽に、自分に優しくしてあげてもいいんじゃないの? とお節介にも思ってしまうのである。

私自身のことに限って言うならば、そういう私だからこそ腐女子になったのです。
いや、毎日楽しいですけどね。腐女子じゃない人は、きっと毎日退屈だろうと思って同情したくなる。腐ナシで生きていけるなんて、みんな禁欲的だなあ。

その意味では「腐女子」という言葉もあまり好きではない。もっときれいな言葉が使われたっていいじゃないかと思う。

腐女子という言葉は別に好きでも嫌いでもないですが、「ヤオラー」とかよりはましかと…個人的には、自分達を表現するのに華美な表現をするのは好みではないです。腐ってこそ腐女子。腐っているからって、穢れているわけでもキレイじゃないわけでもないのです。
「耽美」という単語も思えば遠くなったものだ…