みんなに聞いてみたよ(後編)

昨日の、男性へのサイト閲覧や同人誌の販売について腐女子にご意見聞いてみました、の続き。



5:絵も字も書くが、どちらかと言えば字書き。現在のジャンルは小説系。作風は、コメディぽいのから真面目なのまで。

私は、目の前で自分の本を買ってくれると、びっくりするけど、特に抵抗感とかは無いです。ああ、こーゆーの好きな方なのね、くらいで。
女性でも、やおいって駄目な人は駄目だし、好きな人は好きだから、そのくらいの感覚です。
というか、「男性はお断り」っていうサイトさん、みたことなかったから、逆にびっくりしました。そんなのあるんだ!
すみません、お断りする気持ちはわかんないや……
18禁とかもそうだけど、一応の「苦手な人は避けるようにー」という注意の呼びかけで、お断り、と禁止できるようなことでもないような気がします。
ネットに上げてる時点で、誰でも読んでいいわけで。苦手そうだったら自己判断で避けてくださいね、くらいのつもりでサイトの注意事項書いています。
なので、男性が見ていたとしても、そうですか、ありがとうございます。と言う感じです。
さすがに、現実で知り合いの身近な男性には知られるのはマジ勘弁ですが、知らない人なら全然、私はオッケーです。
前に、友人がネットに連載していて、その話が私は大好きで。
それをまとめた本が出て、イベントで委託していたときすーっと男性がやってきて、迷わずその本を手に取り「これお願いします」と言われたとき、ああ、ずっとこの方もネットで読んで、この話好きで買いにきてくれたんやな、と思って、すごく嬉しかったです。


あと、こないだ、今やってるジャンルのオンリー行ってきたんですが、
そこでも、男性が私の本を買っていってくれました。女性向けのイベントといっても、コスプレ参加の男性がけっこういたんですが、その方は、コスプレ参加ではなく、純粋に本を買いに来たお客さんのようでした。
たまたま、私が扱っているキャラクターが、なんというか、女の子っぽい容姿のキャラで。
ポジションも主人公(男)のことが大好きで、主人公が他の人と仲良くしてると、やきもち焼いて邪魔してくるという、
ラムちゃんみたいというか、美少女ゲームのようなというか、そんなところがあるキャラなので、男性ファンが多い、という話はよく聞きます。
実際、そのキャラ受けサイトさんでは、男性客がよく来るという話もかなり聞きます。
しかし、私の場合、そのキャラがどちらかというと攻めで(笑)そのキャラが「かわいい」という部分にはほとんど萌えないたちなので、買っていかれる男性客には、あー、お兄さんの求める「かわいい」そのキャラはいないかもしれませんよ〜と申し訳ない気持ちになりました(笑)

ラムちゃんみたいて!!(笑)どんなキャラやねん!!(笑)
でも、ショタを愛好する男性のことと似たようなんで、そういうの好きな男性はそれ求めて来るってのわかるよなー。少女漫画系というか同人系のカワイイ絵柄だと、男女そんな区別つかないし…男でかわいいキャラだったら、まあ別に女の子キャラと言っても差し支えない容姿だったりするわけだから…別に妄想の世界では、カワイイ顔した子に焼きもちやかれたりするシチュエーションさえあれば、それで別に、相手が男だとか女だとか、瑣末なことに思えて来ました(笑)あれか?なんだっけほら!あの、ツンデレ?みたいな?そういうシチュエーションを踏まえることによる萌えみたいな!かわいければ良いです!以上!
どうでもいいけど、ツンデレってドリの世界でも王道だと思う(誰にも心を開かないクールな男子が、私にだけ笑顔を見せてくれちゃう!)




6:漫画描き。現在のジャンルは格闘技系ナマモノ。絵柄は線の少ないタイプの少女漫画系。頭身は低めで、カワイイけどシャープでもあり。

えーとね、わたしは●●●(ジャンル名)と言うジャンル柄…男性客結構いました。


ナマモノな上に、格闘技でやおいなんてどんなイタイ女がやってるか見てやろうみたいなヒトも結構いたんじゃないかな…。
思い返してみると自分の対応もまちまちで、頑なに販売拒否した日もあれば、「女性向けですけどいいんですか〜?」て一応訊いてから売ったときもありました。
いいんですか?、て訊いた場合ほとんどのヒトが「あ、僕そーゆーの大丈夫なんで」って答えてたけど。まぁどう考えても面白半分だったんだろうな…。


●●●の場合、私がサークル参加始めた頃ってちょうど、(*事情説明すると何だかわかるので伏せます/emifuwa)で人気がピークのときだったのね。で、普通のサークル目当てで来た男性客がそのまま流れてくるとゆう恐ろしい状況だったんだよ…。


でも、●●●での相方(←正確には違うんだけど、便宜上相方と呼んでおきます)はその辺の警戒心が全然ないと言うか、天然さんと言うか、自分の同人誌を●●●関連の雑誌に送っちゃうようなヒトだったので(さすがにやおい本ではなかったけど)、お客さんの半分以上は男性だったけど全くこだわってなかったらしい。


サークルの傾向としては、

Aさん→しっかり画力もあって、組んずほぐれつもバッチリ描きます(要修正レベル)


相方→独特のへたうまテイストで、オールラウンドな小ネタギャグ。微妙にやおい


私→絵もストーリーもなんだかイタ痒い少女マンガ風…。


てな塩梅だったので、余計に恥ずかしかったんですよね。すごいエロとかならいっそ開き直ってた!(笑)
絵が上手いでもなく、ギャグが面白いわけでもなく…、ちゃんとした●●●ネタがあるわけでもなく、その場の男性客の求めてるものとは明らかに違うことがわかりきってたからさ〜。場違いって言うのかしら。ハハハ。女子ならそのへんはわかってもらえそうだけど、興味本位とか、ネタ重視で買ってく男性にはおそらくわかってもらえないだろうと…。なので、あの中では多分わたしが一番身構えてたと思う。
エロ描いてた人たちも、多分苦労はいろいろあったと思うけど。


でもまぁ、そんな状況だったんで参加回数を重ねるごとにウチに関しては男性客は自然に少なくなった(笑)。で、それでもわざわざ手にとってくれるならもうこだわらなくてもいいかな…、と最近は普通にお売りしてます。


今にして思えば、こちらが自意識過剰と言うか神経過敏だったとも言えるので、販売拒否してしまったヒトには申し訳ないな〜と思わなくもないけど、あのときは関係者バレも怖かったししょうがないかと。


いまでも関係者バレは怖いんだけど、なんかどうやら●●●所属の○○○(*関係者)は同人サイトとか見てるらしいし…。それでも、いちゃもんはつけられていないので、黙認とまでは行かなくても、取りあえず見逃してもらってるのかなー…と。
△△△は「僕が■■■のことハート目で見つめてる同人誌があるんですよー」なんて●●●雑誌の編集者に言ってたらしい。
そんな本わたしだって読みたいよ!どこの本か教えて欲しいよ!(笑)
でもそう言うエピソードを聞くとますます、ウチの本だけは見られたくない、っつー気持ちが募ります…恥ずかしいもんやっぱり。


まぁ、販売拒否してキレられた経験はないので、そこら辺は運が良かったのかな?
かなり食い下がられたときはあったけど、そのときはこっちも後に退けなくて結局諦めてもらった…そんなに悪い人そうじゃなかったから申し訳なかったな。


サイトに関しては、直接顔を見てお断りできるわけじゃないので、男性だからと言う理由での入室禁止は無意味かと思い特に警告はしてません。
例えば、18禁とか非オタ禁だったら「わたし中学生なんですけど〜」「なんでホモなの気持ち悪い」みたいな厨カキコよけとして機能するから書いておきますが。
あとは関係者ご遠慮下さいくらいか…。
男性に向けての警告は「女性向けです。気分を害しても責任持てません」てのに集約するしかないんじゃないかとわたしは思ってます。
まぁ、男子禁制って書いておかなかったせいで「男なんですがやおい好きです」てカキコされても対応に困るけど…そうなったらそうなったときに考えるよ…。

意見を聞いた中では、唯一の対男性販売拒否経験者の彼女。しかし、やはりナマモノというジャンルに因る部分が大きいです。
確かに関係者バレは最も恐ろしいところ…やっぱりねえ、特に本人には見られたくないですよゼッタイ。昔芸能やってたんですけど本人に見られたら死ぬる。
彼女や他の人と、このことについてチャットでも喋ったんですが、野球とかも厳しいらしいのね。球団によっては禁止のところもあるとかないとか。高野連も厳しいのか…「あと、野球は特にそういう他ファンに向ける一般ファンの目が厳しい」そうかもしれん…(なんとなくイメージでですが)
しかし、きっと本当に「格闘技系のナマモノで、イタ痒い少女漫画テイスト」を求めて来た人もおるかもしれんやん!いや、きっといると思う!
自分の好きな格闘技の選手(ていうのかしら?)がいて、まあそれとは別にやおいでも萌えれて、あなたのイタ痒い少女漫画テイストがなぜか胸に心地よいっていう男子も、いないとは断言出来ない!いや、いるね!
男性で少女漫画好きという人は多いですよ。やおいボーイズラブ、いわゆるジュネだって「男性の出て来る少女漫画」として楽しんでいる人も、少なからずいると思うんだよ。
だって、無いじゃん。今時、ああまでベタに惚れたはれたを追求する、心情表現メインの少女漫画って、あるか?もしかして、いやもしかしなくても、少女漫画需要のかなりの部分をボーイズラブが担ってるんじゃないの?
というか、ボーイズラブ(その周辺も含む)は少女を対象にした、少女漫画ですよね。基本的に。
少女漫画がエロに走っていて、昔のように心ときめかすことの出来る作品が減ったように思うのは、わたしが年をとったからかもしれないけど(笑)もはや少女は少女漫画で夢を見ることすら出来ない状況に置かれているんじゃないかと思います。
だから腐女子が増える。他に、夢を見させてくれるところがないから。




7:字書き。現在のジャンルは少年誌系、児童文学系。作風は…緻密でスタイリッシュ…いい表現が思いつかない…

まず、買ってる男性の意見から。
私の友人で買ってる人は、3,4人しか知らないのよね。
で、なんで買うの?って聞いてみると
「少女漫画読むかんじとにてる」ってレスが多い。(彼らは全員少女漫画も読むし純粋に漫画好きだ)
「心理のかけひきが面白い」
「男性向けには絶対ありえない視点が好きだなあ」
「うーん、俺からすると(こいつはゲイ)こんなのありえないじゃんって思うけど。でも彼女らはさ、ゲイを書こうと思ってるんじゃないよね?やおいだろ。その違いが面白いんだよね。まったく違うわけじゃない。けどぜんぜん違う。その差異がね」
レスはこんなかんじ。
差異を愉しむってのがあると思う。
私がぶーぶーいいながら男性向けのロリ漫画(強姦や調教アリの)を読むのと似てるなと思う。


で、私の意見なんだけど。


そもそも


> たまに見かける言葉で、女性向け同人サイトのトップに
> 「男性はお断り」みたいなのあるじゃないですか。


これを言う意味がわかんないのよねえ。全く。
や、大手さんとかだと、妙な男性おっかけで苦しんだ経験あるのかなと思わないでもない。
これって、対作者つーか対読者への配慮だと思う。掲示板とかで俺荒らしを防ぐための。


腐の世界には腐ルールがあるけど、私の中の腐ルールとしては、極力男性だからどうとか女性だからどうとかいうものはしたくない。
現実世界でうんざりしてるもん。
だから自分のサイトにこういう警告を出そうとは思わないし、むしろ見てくれるならこっちからお願いしたいくらい。
自分がもちえない視点で感想いただけるなんて、冥利につきるよ。
もし、荒らしや困ったちゃん男性が来るなら(同じくらい困った女性もいるけど)掲示板とか取ればいいだけだし。
メールは捨てればいいことだし。


ネットで性別って自分で言わないかぎりわかんないよね?
「はじめまして。○○○です。女性です」とかって書かないだろう(笑)性別はどうでもいいことだよね。読者と書き手ってときは。
そこであえて男性女性を持ち込む意味が分からないなあ。
私もここまでやってきて「実は男性でーす☆」とかって落ちがあると面白いんだけどなあ(笑)
ほらサイトのどこにも女性って書いてないし。日記は妄想だからって落ちで。

男性が少女漫画が好きでも全然いいと思うんですよ。
だって私だって少年漫画大好きだし!今一番買ってるのはたぶん青年漫画だしなあ…(少女漫画、ぜんぜん買わない…)
男が少女漫画見るのがダメなら私らだって少年漫画読んだらいけないわけだし。好きなもの、面白いもの、いいなあと思うものを誰が何読んだっていいんですよね。
少女漫画好きだっていろいろで、谷川史子好きという人と山岸涼子好きという人じゃ全然嗜好が違うしね…
男性が腐女子と同じようにカップリングの枠やその中の空気を愛せてもいいと思うし、女子男子に関わらずやおいが好きってわけじゃないけど面白ければ何でも好きっていう人も多いだろうし、やおいはやっぱり生理的に合わないんですよという人も。




8:字書きだが絵も描く。現在のジャンルはナマモノ。作風はギャグもシリアスもエロもと幅広い。

オフラインに関しては経験値低いので、オンライン中心で語らせて頂きたいっす。
 結論から言うと、ぜんぜん抵抗も違和感も感じないです。逆に過去男性向けのエロ同人を買おうとして売り子さん(男性)に断られてしまった経験のある身としては、欲しいと思っている人には「基本的には」分け隔てなく販売/閲覧してもらいたいと思う次第で。芸能系等ジャンルによって色々あるとは思いますが。
 サイトのindexに書いてある「男性の方お断り」は個人的にはもにょります。性別で差別/区別するのはネット上ではあまり意味無いんじゃないかなあと。同じ萌えの心があれば性別は関係ないと思うし、冷やかし目的の人は来るなっつっても来るだろうし。当方マイナージャンル故おっかない目に会う確率が少ないため、ヌルい見識かもしれないですけど。「女性向け」という言葉もちょっと引っかかります。これだけマーケットが広がっている今、やおいもJUNEも女性の為だけのジャンルではなくなっていると思いますです。
 そもそもどうして「男性お断り!」と宣言してしまうのか、その気持ちがちょっと分からない。嫌がらせされたとかそういう事情がある人も居るかもしれませんが、全ての男性閲覧者/購入者が嫌な人では無いでしょうし、それを言ったら女性だって嫌がらせや転売やストーカーには成り得るわけで。
 そういえば所謂「男性向け」の二次創作サイトで「女性閲覧ご遠慮ください」みたいな事を書いてあるサイト、見たことないっすね。
 オフラインの同人誌に関しては、しばらく発行していないので語れる事が少ないんですが、前ジャンル(ゲーム系)でSM色の強い(16禁くらいの内容)合同本を出した時男性で買っていって下さった人がいたそうです。もちろんやおいでしかも暴力表現があるという事は説明した上で。その本はかなりマイナーなカップリングの本だったので、性別がどうこう以前に同じ趣向の人が居て嬉しいなあと思ったくらいです。
 今やっているサイトは男性のお客さんが2〜3割くらいいらっしゃる雰囲気なのですが、日記でもコンテンツでも特に腐女子ネタ注意! みたいな事はしていません。した方がいいのかな。書いているものも性描写があんまり無いし、今のところ抗議や文句を受けた事はありません。感想やコメントを見ると、腐男子ではないけれど腐ネタにウケてくれた男性も結構多いです。コンテンツで分けるとファンフィクやファンアートへの感想は女性が圧倒的に多いですが、感想・評論やバカネタへの反応は男性の方が多いです。

腐女子が男性の読者にどぎまぎしちゃうのは、やはり「同じ(腐女子)属性持ちかを判断できないから」ですよね。
やおいの枠組み(カップリングとか受け攻めとか)の部分での愉しみを共有できる相手なら「●×■いいですよね!」と簡単に交流できるけど、そこを共有できないかもしれない相手の場合、素の情念や妄想を見られてしまうような感じがあるのかもしれない。相手が男性だということで、その辺なおさら容赦がない(ような気がする)でも本当は、女子同士だって同じ萌えを共有できてるかなんてのは、すぐにはわからないことです。
腐女子同士で同じカップリングで私のサイトの読者さんでも、「ああ、この人とは気があわんなあ…」ということもままありますし…
ネット上では別に性別をわざわざ伝えなくても、交流できます。プライベートな話をする仲になれば自然性別は明らかになるでしょうが、単に好きなサイトに感想を書くだけなら、わざわざ性別書きません。
でも、わざわざ口に出して「男です」と言わないだけで、男性は実は結構いるのではないかと想像します。
しかし、「女性向け」って確かに曖昧な表現だなあ…この表現だと、本当にやおいについてなんにも知らない小学生男子なんかには通じない気がします。
やおいボーイズラブ、同人、この単語がわからない方は…」ていう警告も、実際はほとんど意味ないですよね。わかる人に対する保険みたいなもんで。トラブった時の免罪符的な役割でしょう。「書いてありますから!」って。
一番「やおいボーイズラブも同人も知らない人」に通じる表現は「同性愛」「男同士の性的描写/恋愛描写があります」でしょうね…


即売会で同人誌を売る場合は、見た目でだいたい性別を判断できてしまうので、男性が来た時にちょっとキョドってしまうのは仕方のないことかと…
一番大きいのは、先にも述べたように「この人が何を求めて来ているのか判断しがたい」。表紙の絵だけで手に取られたんじゃないか。中身は超エロエロなんですけどー。またはカユカユの男同士の少女漫画なんですけどー。もしかして、即売会初めてで「●●●(適当な少年漫画のタイトル)」の本なら何でもいい、とかって思っちゃってたらー。それはやおいというやつなんですよー。つーか男の人に自分の描いた濡れ場見られるの、いろいろな意味で恥ずかしいです(これはかなりありそうだ)。
腐女子が(腐男子であるにしろないにしろ)男性の購買者に対して抱く複雑な思いは、やはりどうしてもそう簡単になしにはできないとは思います。
でも、別に普通にボーイズラブ好きです、やおい好きです、この人が受けでこの人が攻めでラブラブなのがいいんです逆はちょっと好みじゃないです、というような、私たちと同じだったり凄く似ていたりする腐マインドを共有できる男性がいる、ということがもっと世間に浸透すれば、男性に立ち読みされてキョドることも少なくなる…とは断言できないけども(笑)