あなたを知りたい

黒鳶さんは御自身がどうしてこういうのが好きなのか、と書いてくださっていて(http://kurotobi.sakura.ne.jp/log/eid84.html)大変参考になりました。
いま私が知りたいのは、やはりこうした腐男子さんの自分語り。それから、「やおいを好きじゃない、どうしてもダメ、生理的に嫌、と感じる男性と女性」が「どうして嫌いなのか」という理由です。
生理的に嫌、ならどういうところが特にダメか知りたいし。


ごく最近、非腐女子なるしまゆりのファンな人と「なぜなるしまゆりが好きなのか」という話をした時に
「なるしまさんの描く話は、原作への愛情があふれている。そこが私が好きなところで、そこを『やおい的』と表現されるとそれはちょっと違う、と思ってしまう」と言われたので、
「え、じゃあ、やおいって原作への愛情はないと思われてるの?キスやセックス表現があったらそれはもう原作への愛情がないってことなの?あなたの友人の腐女子たち(私含む)の作品、キスやセックス描写があるやおいであるってだけで、その人の原作への愛情を疑うの?」と(実際はもっと双方突っ込んだ会話ですが)と反論したら「それは違います。でもそうとしかとれない発言でした、ごめんなさい」と激しく謝られてしまった…という経験がありました。


閉鎖されてしまった野獣キャノンボールさんで、以前「『やおい』が消し去るもの、もしくは最初から存在しないもの」というタイトルで、なぜやおいに馴染めないかを書かれていたことがあったんですが、それがずっと頭にひっかかっているのです。
全文引用したいのですが、もう閉鎖されたところの文章を個人的に保存しておいたものなので、私が勝手に要約させていただきます。


やおいは、自分にとって非常に重要であり、存在すると信じて疑わなかった『男の友情』を『ないもの』として成立しているように思える。
そもそもやおい妄想というのものは『男の友情』を否定する、もしくは『究極の男同士の愛情形態がやおいである』という前提でなければその世界観自体が成立しない。
やおいはそれと意識しているかはともかく、自分にとっての「友情」の存在に揺さぶりをかけている」


まずやおいは男の友情を否定しません。それはそれ、これはこれ。むしろ「男の友情」が無いと世界観的には困るんじゃないかなあ(作品にもよるかもしれませんが)。それから逸脱したものが大事なんだと思うし…
ただやはり、男性にこのような感じ方をさせてしまうものはあると思います。こういう理由で馴染めないのはわかる、と私がある程度納得できるものがありました。だからずーとこのご意見が気になっており、頭にありました。
他に「どうして自分はやおいが馴染めないか」をきっちり書いてくださっている男性/女性がいらっしゃったら教えていただけると有り難いです。


うちの弟に話を聞いた時、こちらのご意見(全文)を見せて、「どう思う?」と聞いたら、ものすごく首を傾げながら読み進み、「よくわからない…」と不思議顔でした。
で、確か「結局、じゃあどこからどこまでが友情で、どこからが恋愛かっていう話になるじゃない?結局、友情って何、恋愛って何、みたいな。それは人それぞれだろうし、やおいでキスだのセックスだのしたからって恋人同士ってわけでもないし、第一やおい=男同士の『恋愛』かというと違うよね…」
とかいうような話をした記憶が。


世の数多の腐な人たちにとって、やおいのイメージってそれぞれだと思います。自分はこう思っている!ていうのと世間ではこう思われてるんだろーなー、というのと別だと思うし。
やおい=男同士の恋愛です、っていう人もたくさんいるだろうけど、私にとっては少なくとも、やおい=男同士の「恋愛」ではないですね…
もちろん恋愛な場合もあるだろうし、恋愛を模したものであったり、恋愛にしようと頑張ったり、恋愛ではないと言い続けたり、恋愛に似ていたりはするかもしれないが、それが恋愛であるかどうかは、作者がどう思うか、読者がどう思うか、はたまたそのキャラがどう思っているか、と多数存在するような気が…この辺が、腐女子が嘘でも理論武装しとけばいいのに(野獣キャノンボールさん)、でもできない理由なのかなあ。


サイトのトップの警告文章は、腐な人たちが「自分は自分の書くものをこう思っている」「そして、世間からはこう思われるんじゃないかと思う」を足していくつかで割った(管理人がどっちに重きを置くかで違う)ものになるんじゃないでしょうか。


腐男子さんに関しては「やおい(枠組も、本質的なものも含め)を愛好できる男性は、少なからず絶対に存在する」と常々思っていましたので、「いて当たり前」が私のスタンスです。