腐ったMADがもっと見たいんだよ!!

先日、id:suitouさんと初めてチャットでお話する機会がありました。


結論から先に言うと、とにかくあの古キョンキョン古)MADは神だよ!(id:emifuwa:20070310#p2)ということなんですが。
腐女子界隈(同人サイト界隈)では日記なんかで面白いMADムービーが紹介されたりするケースはあまりなく、しかしクローズドな場では盛り上がることもありますよね。
MADもコラも、そのものの性質上、どうしても表向きに「これ最高!」と公言しにくいものがあります。
自分でMAD作りを始めて、腐女子界隈でももっとMAD作り流行ればいいのになあ〜でも無理だろうな〜と思ってたんですが、水筒さんが言った台詞にちょっと感動した(笑)

すいとー: いままでノーマークだったあるジャンルがもりあがるときって、
      軸になるサークルがいるじゃないですか
     ジャンルを牽引するカリスマ大手
     あの古キョンがそれになればいいと思うんです

な るほど…!!!

水筒さんと、チャットを仲立ちしてくださった方がその場にいらっしゃったんですが、お二人ともMADは作ったことはないが興味はあるとおっしゃる。どうやって作ってるんですか?と聞かれたので、これこれこうなんですよ〜と説明したら「そんなに簡単なんですか!」と言われた…


そう、結構、簡単なんですよ!!(作業自体は細かいですけど…)


あ、簡単と申しましても…
私が作っているのはこういうもの↓です。最近作ったやつ。

ニコニコの方

作品のくだらなさ加減はとりあえず置いておいて、ご覧の通り、動画を切ってつなげて、それに別の音楽を乗せただけの単純な代物です。素人くさいです。出来もまあ、洗練されてるとは言いがたいです。
世にあまたあるもっと高技術のMAD、かっこいいやつ、ああいうものは作れません。作れるのは、切ってつなぐだけ。
でも、このレベルでも面白い、かっこいいMADは巷にあふれてますよね?こんなもんでも「私に作れるわけないし」と思ってる方はたぶん、たくさんいらっしゃいますよね!だって私もそう思ってたもん!なんかすっげえ高いソフト使ってすっげえ知識のある人だけが作るんだと思ってたもん!
でも、出来るんですよ…!この私が出来るんだから…ほぼ独学で…バンドルソフトと、フリーのソフトを駆使して出来るんだもん。出来ますよ!
腐女子のムダなパワーとセンスをもってすれば、もっとものすごい…どえらいMADが出来るはずっ…間違いないっ…!!


ほら、腐女子って「イメージソング」大好きじゃん!自分の好きなカップリングのイメージソング設定するの、大好きな生き物じゃん!!出来るんですよ!!自分の好きな曲で、なにかそれっぽいものが!!
アホなのも大好きだし、せつない、ラブいMADも見たいじゃないですか!!泣けるようなのとか!出来るよ!!やろうよ!
ちなみに、自分で描いた絵を取り込んで作ることもぜんぜん出来るよっ…!!


えー、チャットでお二人に「ノウハウ共有化を!」とあおられたので(責任転嫁)、ひとつやってみようかな…と思います。
「はじめてのMAD」。ただしMacだけど。

はじめての素人MAD(素材準備編)


まず最初に注意なんですが、私はMacを使っています。
だもんで、以下のやり方をまんま参考にできる方はMac使いだけということになります。ご了承ください。
ですが、Windowsの方がフリーソフトは遥かに充実しています。
「こういう機能を持ったソフト」という風に検索すれば、いくらでも出て来るんじゃないかと思います。たぶん、Macよりもよほど楽に出来ると思います。
iMovieは「ムービーメーカー」というやつで代用できるのかな…?見た感じだと、かなり似ているようです。

追記:その後Windows環境の職人さんといろいろお話してみたところ、ムビメカはあまり評判がよくありませんでした。ですが、とりあえず入ってるアプリで作ってみたい!という人にはとっかかりにいいんじゃないでしょうか


それと、動画の編集にはかなりマシンパワーが要ります。最低でも20GBの空きは欲しい。1〜2分のデータを1個作ると平気で1〜2Gになります。パワーがない人は断念した方がいいかも…私の環境は、OSX、G4、Macminiの1.5Gです(たぶん)。

追記:これを作っていた時点では私のメモリ512MB。1Gあると楽に作れるかと思います。たくさんの職人さんに話を聞いたところ、最低で256MBのノートで作っている猛者がいました。元データなどの容量にもよりますが、メモリが低くても作れないことはないようです。元データが大きければ(=高画質)作るデータも大きくなりますので、必然的に低メモリでは扱いにくくなります。


あと、まったくの独学でやっているので、もしかしたらものすごく回りくどい頭悪いやり方をやっているかもしれません。もっとずっと上手くて早くて洗練されてるたった一つの冴えたやり方があるのかもですが、でもいいじゃん。青春だもん!
それでもいいよ、という方だけ参考にしてみてください。


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私がMAD作成時に使うソフトは、だいたいこんな感じです。


iMovieMacの最近のにはだいたい元から入ってる、写真・動画編集ソフト)
Clip Creator2フリーソフト。動画をカットします)*現在は配布を停止しているようです
QuickTime Pro(通常のQuickTimeをアップグレードしたもの。簡単な動画の編集、カット、書き出し、保存などができます。これはお金を出してアップグレードしました。¥3400)


QuickTime Proの機能は、Windowsだと何か代用できるフリーソフトがあるのでしょうか…ちょっとわかりませんが、これがあると大変便利ですというかこれがないと出来ない…お金を出して買ったのはこれだけです。ネット上でぽちっと。


この三つが主で、あとは元のアニメを眺めてカットする箇所を探すために、iTunesに動画データを入れてあります。


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さて、それでは順を追って説明していきましょう。上のエントリであげたMAD、「最強○×計画」という「すもももももも」のOP曲に、アニメ「アカギ」の映像をつなげたものを乗せた作品を作ると仮定して、話を進めていきます。


1.素材を調達する


素材…この場合は、元になるアニメーションの映像データ、それと使用する楽曲のデータになります。
うんまあとりあえず…あなたが大好きな作品のDVDを用意してください。
ネットで検索すれば、DVDから映像データを吸い出すことの出来るフリーソフトが見つかると思います。


ほらあれだ…お気に入りの…もう絶版の…命のDVDが…なんかしらで…突然見れなくなったらどうしようっ…困るっ…!!そんな杞憂人のためにこういうソフトがあるんだよね…DVDだけじゃ飽き足りないっ…バックアップしておかねばとても安心できないっ…そんな心配性な人のために…自分で買ったDVDをわざわざこうやって吸い出してバックアップしておくためにあるんだよね…


私が使っているのはMacTheRipperフリーソフト)。これを立ち上げて、MacにDVDを挿入。アプリケーションがDVDを認識できたことがわかったら、GO!ボタンを押す。それでだいぶ長い時間待つ(部屋の掃除でもしよう)。気がつくと、なぜかボンバーマンが出て来て吸い出せたことを教えてくれる。なんでだかわからん。
それと、欲しい画像がDVD化されてないわ!誰かがちゅーぶにあげてるけど…という場合…とか…ちゅーぶにどなたかがあげてくださった面白MADを自分だけで楽しみたいわー…という場合…ちゅーぶからダウンロードしてくる方法は、検索すればすぐに見つかると思うので、してください。


で、そうやって吸い出して来たりちゅーぶから落としてきたデータは、たいていそのままでは使えません。白紙アイコンの状態だと思います。編集出来る状態にするには、これを変換する必要があります。


私が使っているのは iSquintフリーソフト)。Windowsの人は「動画変換」かなんかで検索してください。

DVDから吸い出したデータはたぶんフォルダの中に入ってて、いくつかアイコンがあると思いますが、ここで使うのは「VOB」って拡張子のやつ。他のは即効捨てていいです(たぶん)。
それをiSquintのウィンドウにドラッグして、開始ボタンを押します。
設定は「ipodに最適化する」を選んでます。画質とかさしてこだわってないし。「iTunesに追加する」を選ぶと時間がかかるのでおすすめしない。H.264を使用するってのは意味がわからんので選んでない。詳細設定は開いたこともねえ。…今開いた。いいや、とりあえず無視して!わかる人はやって!

8/9追記:このやり方だと、画質はあまり良くできません。画質を良くしたい方は詳細設定で設定できますが、このソフトの場合はそれでも限界があります。私が今使っているのは「VisualHub」というシェアソフトです。この変換作業(エンコード)については、詳しく解説してくれている場所がいくつかあるので「エンコード」「wiki」とかでぐぐってみよう。


開始ボタンを押すと、変換が始まります。ものすごい時間がかかるので、出来ればどっかに出かけちゃうことをおすすめする。あと時々このソフトは嘘を吐く(実話)。あと1分とか言って「嘘ついちゃった…そのうち出来ると思います」とか抜かしたりするので(実話)、こいつの言うことは基本信じないように。アカギの全話を吸い出して変換しようと思ったら一日、ヘタすりゃ二日仕事です。じゃあ吸い出すだけ吸い出して、変換はあとでやろうとか思うと、この吸い出した元データはすっごい重いので、パソコンの中の領域が限界になって焦ります。私は起きてる間は必死で変換しては元データを捨てを繰り返し、残りの変換は夜中寝てるうちにMacに頑張ってもらった。
まあうまいこと、変換しては捨て、変換しては捨てを繰り返してみてください。ただ、たまに保存に失敗してたりすることもあるので、変換したあとはちゃんと再生できるかQuickTimeで確認すること。

変換が終わると、「mp4」か「mov」って拡張子に変換されたデータが出来ます。これは軽いので安心です。この状態になれば、iTunesに入れといて(ドラッグすればコピーできます)一人でグフグフ楽しむこともできます。
元データ(拡張子VOBのやつ)は重いので用がなくなったら捨ててください。


音楽のデータは、もともとiTunesを使ってて、Macの中に音楽ファイルがあればそれをそのまま使えます。ちゅーぶにしかない音源(ry の場合は、上と同じに動画の状態で落として来て、変換したあと、QuickTime Proでそのファイルを開き、ツールバーの「ウィンドウ」→「ムービーのプロバティを表示」にします。

サウンドトラック」の部分をクリックで選択し、左上の「取り出す」を選択。すると音楽データのみのファイルが出来ますので、名前をつけて保存してください。


同じ要領で、吸い出したアニメのデータから「映像のみ・音無し」のデータも、あらかじめ作っておきます。
実際に切った貼ったするのは主にこのデータを使います。アニメの音声がそのまま入ったデータでは、合わせた曲と音が混じってものすごいことになってしまいます。
iSquintで変換済みのファイルをQuickTimeで開き、ムービーのプロパティを表示し、今度は「ビデオトラック」の方を選択→取り出す→保存します。元データと区別するために音が無いとわかる名前を付けておきましょう。

8/9追記:現在はこの音無しデータは作っていません。iMovieのウィンドウの右下にあるチェックボタン、これを付けたり外したりすることで、音を出なくしたり出したりできることを学習したからです。今は一番上のタイムラインのチェックを外して音が出ない状態にして、編集しています。


以上で、素材の準備が完了しました。次回いよいよ動画編集編です(たぶん)。