バッテリー


映画「バッテリー」観てきました。
ええと、私は原作「バッテリー」に異常なほど思い入れの強い、言うなれば信者です。原作至上主義者と言ってもいい。
そんなんで、立場としては初日に観に行ってもいいぐらいなのにずるずると先延ばしにし、四月になってやっと観たんですが。
観に行く直前になって激しく観に行きたくなくなって、「でも、オトムライ役の萩原さんはアカギだし…」と変な鼓舞をかけて頑張って観に行ったんですが。


…えーと
あれ、危惧していたより、ずっとよかった…


ビジュアル的にはかなり、かーなーりいい!!
もう一度あの風景を浴びに観に行きたいなあと思わせるほど。


主役の原田巧役の子がものすげええええええ美しいいいいいいいいいい
白いジャージが緑多い背景に映えるのなんのって!
あの、年くったら薄くなってきそうな頭頂部がたまらなくキュート!!


あと、子役のみなさんが演技が非常に上手くて、安心して観ていられました。
あんまり喋らない巧も、視線や小さな動きでよく感情を表現してました。
サワ役の子がいい!ヒガシ役の子がまたカワイイ!!この二人よかった…
展西役の子が上手い!体育倉庫で本音を吐露したあとに、ぐすっとなってしまうあたりがいい!演技力ないと出来ない役だよなあ…
観に行く前は、青波がどんな風になってるかかなり心配だったのですが、役者さんの演技力&お人柄か、原作より電波度が薄r…じゃなくて不思議ちゃん度が薄r… ええと、原作より余程まs ええと…  とてもよかったです。
正直に申し上げまして、原作の青波があまり好きでないので、映画の方が好きです。ただ、どう見ても五年生には見えない(笑)
豪は個人的には…どうしても「巧より背が低い」というところに引っかかってしまうのですが、笑顔がかなり素敵でした。ただ、原作の豪から感じる「怖さ」はなかった。でもそれは役者さんのせいではなくて、そういう映画だったんですよね。


そう、映画「バッテリー」には、原作「バッテリー」のあの息苦しい感じは微塵もなく…
巧と豪の間にも葛藤とか執着とか呼べるものはなくて、青春のすれ違い☆若いっていいネ!て程度。胃が痛くならずに観れる。
豪との関係よりも家族愛に焦点が置かれているので、私が原作を愛している理由のあの苦しみとかはさわやかにカットされています。
でも、万人受けする映画としては、これでいいんじゃないかなあ。よくまとまってるんじゃないの?
自分がこんな感想を持つとはまったく意外でしたが、あの葛藤をメインに持って来たら、単館上映系映画になっちゃうもんなあ。絵的にも映えねえし。
自分のイメージ通りの映画が出来たらそりゃいいかもしれんが、「バッテリー」という名前で大コケするのも嫌だというファン心理なのかもしれない。実際、この映画は人気あるみたいだし。
孫と一緒に観に行った、という五十代の女性の方に感想を聞いたら「感動した!主人公の巧が好青年なのよ」(←ほんとにこう言った)と言ってた。
6巻分の原作を2時間にまとめているため、そのしわ寄せで、かなり場面転換が急すぎるだろ!ってところがいくつもありましたが、それもわかりやすさだと思えばご愛嬌。
原田巧の長い長いプロモーションムービーって感じ。
原作のことを考えなければ、なかなか美しい映像の、さわやか野球ムービーでした☆という感想です。


原作への思い入れが異常すぎると、かえって切り離して見られるんだなあというのは新たな発見でした。
以前に、予告編を見て超憤った感想をここで書きましたが、今はなんかもうどうでもいい(笑)ああそうか、先にあれを見せられたので、覚悟と耐性が出来ていたのかもしれません。
巧役の子と風景が美しかったので、まあいいかという気になってしまったことは否定できない。
しかし、この映画、豪ファン的にはどうなんだろう?
それと、役割をオトムライと繭ちゃんにとられてほぼ出番なしの海音寺ファン乙。


瑞垣は…瑞垣は…どう見ても大人以外の何者でもなくて…(笑)
26才だもんなあ…
横手のコーチかな?みたいな(笑)
原田を攻略しようとしてる場面なんか、すっごい大人げない人って感じ(笑)
ただ、ビジュアルは結構好みでした。四角いメガネかけてて、とっぽい感じで、
ファッションも、岡山の中三ってこんななんですか?とか思いましたが、単体としてそれだけで見ると結構いいです。あのまま社会人編やればいいよ。
門脇はもうちょっと球児っぽくしてるせいか、まあぎりぎり…ぎりぎりぎり…大人っぽい高校球児に見えないことも…ない…かなあ。
全編通じて、巧と豪がホモがどうのとかと揶揄されたり、瑞垣が姫さん呼ばわりしたりなどのあれな箇所がカットされていたので、門脇の「惚れた」発言がたとえようもなく浮いてた。カットしたのは映画としては正解でしたね…さわやかさが増しましたよ。
振り逃げコールの場面は、わかりやすくてとっても良い演出だと思いました。瑞垣が大人げない大人にしか見えないけど。
原作があんまり野球場面を描いていない分、ビジュアル的に「中学野球っぽさ」を強く感じられたのが映画のいいところ。

真紀子さんのダメ母親ぶりもよく描けていました。にしても、各所で指摘されている通り「ラストのあれはねーよw」と思いましたが。見た瞬間「やっちゃったー!」と口の中だけで無音で呟いたよ。


まああれだ。映画の原田巧くんは、キャッチャーとも母親とも心が通じ合って、しあわせに球を投げていくと良いよと思いました。